1杯1000円のコーヒーってどう思います?
スタバやドトール行けばいつでも同じクオリティのものが飲めます。なんならコンビニカフェだってそれなりです。
もしくはお洒落なカフェでもいいけれど、場所を考慮したところで1000円以上のコーヒーは高いですよね!?
いや圧倒的に高いです。文句なしに高いです。
私も普段はそう思います。
なーのーにー、
コーヒー1杯1000円は高くない
コーヒーが1杯1000円でも高くなかった。
そう思える経験があります。
お会計のときにぜんぜん後悔しなかったんです。もったいないと思わなかったんです。
騙されたとかじゃないですよ 笑
しかもこれは10年以上昔の話です。もしかしたら20年近いかもしれません。あまり実感はありませんが物価も今よりは安かったはずですよね。
むかし語りいきます。
ちっとも有益記事ではないので興味がない方はそっ閉じしてくださいね。
友人と札幌で会ったときの話です。めちゃくちゃ寒い日で、落ち合った途端あまりに寒すぎて私たちは避難場所を探しておりました。
喫茶店らしきものを見つけて逃げ込むようにその店に入ります。店について調べる余裕もなくまさに避難です。
お店
思ったより広い店内でした。テーブル席が3、4列くらいづつ並んでいます。
太い柱でそこそこ視界は区切られてますが、なんてことないコンクリート床、椅子もソファではなく食卓テーブルのような脚付きです。
寒い日だったからか足元はスカスカ寒いです。
最近よくある日差しをたっぷり取り入れた居心地が良い空間とは全くおもむきが逆。
ビルの中なので窓はなく照明は暗め。安っぽい感じは全くありませんが、こじゃれた雰囲気でなんというか…媚びてない。逆にそっけない。
メニューを開いて「おっ」となりました。
コーヒーの種類と挽き方や濃さなどがずらずら並んでいるのですが、その価格が900円から1200円くらい。
今でこそ1000円以上のコーヒー専門店はわりとあります。カフェも探せばあるでしょう。
でもむかしむかしの話なので、そのころは多分珍しかったです。少なくとも私はそんな専門店に行ったことはなかった 笑
おっとこういう店なのか、と改めて客層を見まわしてみると。
ほぼふたり連れかひとり。スーツの人も居ますが商談て感じでもない。マダーム系もぱっと見わからない。見た目はいたって普通の一般人。
良かった、私たちが浮いてるわけではないようです。
価格帯のせいか、さすがに学生風な若い子はいません。
満席ではないですが席もそこそこ埋まっています。決して狭い店内ではないですが。
注文
注文はマンデリンのフレンチを頼みました。ホットです。深煎りでガツンと香りとコクが出やすいのでアイスコーヒーによくすすめられますね。
普段私はあまり濃いコーヒーは飲みません。苦味があんまりかちすぎるのは苦手だからです。
なのに何故マンデリンフレンチ!?
理由は多分私があまのじゃくだからでしょう。
1000円のコーヒー飲んでやろうじゃないか。飲むからには味の違いがわかりやすい(と思える)濃いめのが良いよね、という腹積もりです。
運ばれてきたコーヒーはソーサー付きの普通のコーヒーカップです。いまどきのカフェでよくある大きめのマグカップではありません。
だよね。店の雰囲気からしてそれは想定内です。
飲んでみたよ
ひとくち飲んで相方と目があいました。
「美味っ」
「なにこれ!」
めちゃくちゃ美味い!
キャーキャー騒げる雰囲気では全くなかったのでコソコソと声をひかえて、でもめちゃくちゃテンションあがって興奮して感想を言い合います。
ちょ、まっ、ダメでしょこれ。なによこれ。ふざけんな!とか色々そぐわない感想が出てきます。
あまりに美味しかったので 笑
思惑がひっくり返った
してやられました。
メニューを見た時に、私は半分馬鹿にしてたのです。
気取って高級感を出しているけれども、味はそれなりでも価格ほどの値打ちはきっとない。と決めつけておりました。
飛び込みで入ったので場所代として文句言わずに払ってやろうフン、くらいの上から目線です。ケチつける気満々で飲んだのです。
なのに完敗です。
ひと口飲んだだけで、「美味しい!」と思ってしまいました。
今まで飲んできたコーヒーの中で1番美味しい!
と自分自身が認めてしまいました。
敗北感がないわけではないけれど、こんなに美味しいコーヒーを飲めたという感動もありました。
結局私たちはおかわりも頼み、同じくマンデリンフレンチを2杯づつ飲んでその喫茶店をあとにしたのです。
満足すればそれが価値
ランチでもなくケーキがついてるわけでもなく、2杯のコーヒーで会計はひとり2000と数百円。
でも満足して私はそれを払えました。
この事があってから私は、物の価値に対する考えがかなり変わりました。
価格の相場はもちろんありますが、とびきり高いものでも顧客がそれに満足するならその値段は適正である。ということです。
私自身はブランドものにあまり価値は感じませんが、それを欲しがる人はそれにきっと価値を見出しているのでしょう。
ひとが何に価値を感じるかはその人の勝手で、私は私の価値でものを選ぶ。
それで良いのだと気づけたのは1杯のコーヒーのおかげでした。
普段は安いコーヒー飲んでます。
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